RIYO BOOKS

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主に本の感想文を書きます。海外文学が多めです。

読了-アメリカ文学

『アンセム』アイン・ランド 感想

こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 米国議会図書館の調査で「聖書に次いでアメリカ人に最も影響を与えた本」とされた『肩をすくめるアトラス』の著者アイン・ランドによるディストピア短編小説。集団・平等主義が極限まで推し進められた結果、…

『掃除婦のための手引き書』ルシア・ベルリン 感想と一日一篇

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 知る人ぞ知る優れた短篇作家、アメリカで守られ続ける文学の秘密、など幾つもの肩書きを持つルシア・ベルリン(1936-2004)ですが、世界的な評価を受けるに至ったのは、つい最近の2015年になってからでした…

『誰がために鐘は鳴る』アーネスト・ヘミングウェイ 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 全ヨーロッパをおおわんとするファシズムの暗雲に対し、一点の希望を投げかけたスペイン内戦。1936年に始まったこの戦争を舞台に、限られた生命の中で激しく燃えあがるアメリカ青年とスペイン娘との恋を、ダ…

『ティファニーで朝食を』トルーマン・カポーティ 感想

こんにちは。 RIYOです。今回はこちらの作品です。 名刺の住所は「旅行中」、かわいがっている捨て猫には名前をつけず、ハリウッドやニューヨークが与えるシンデレラの幸運をいともあっさりと拒絶して、ただ自由に野鳥のように飛翔する女ホリー・ゴライトリ…

『お月さまへようこそ』ジョン・パトリック・シャンリィ 感想

こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 映画『月の輝く夜に』でアカデミー脚本賞を受賞したジョン・パトリック・シャンリィ、初の戯曲集。ニューヨークを舞台にして、人間同士の心のかよいあいを中心にくりひろげられる現代のメルヘン。 南北戦争…

『夢みる宝石』シオドア・スタージョン 感想

こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 家出少年のホーティがもぐりこんだのは、普通でない人間たちが集うカーニヴァル。団長のモネートルには奇妙な趣味があった。宇宙から来た不思議な水晶の蒐集と研究だ。水晶たちが夢をみるとき、人や動物や植…

『雪のひとひら』ポール・ギャリコ 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 雪のひとひらは、ある冬の日に生まれ、はるばるとこの世界に舞いおりてきました。それから丘を下り、川を流れ、風のまにまにあちこちと旅を続けて、ある日……愛する相手に出会いました。ひとりが二人に、二人…

『北回帰線』ヘンリ・ミラー 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 〝ぼくは諸君のために歌おうとしている。すこしは調子がはずれるかもしれないが、とにかく歌うつもりだ。諸君が泣きごとを言っているひまに、ぼくは歌う。諸君のきたならしい死骸の上で踊ってやる〟その激越…

『秘密の花園』フランシス・ホジソン・バーネット 感想

こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 両親を亡くし、ヨークシャーの伯父にひきとられた少女メアリー。やせっぽちで顔色の悪かった彼女が温かい人々、輝く太陽、澄んだ空気に触れるうち、バラ色の頬をした快活な少女に生まれ変わっていきます。荒…

『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 32歳になっても、幼児の知能しかないチャーリイ・ゴードンの人生は、罵詈雑言と嘲笑に満ちていた。昼間はパン屋でこき使われ、夜は精薄者センターで頭の痛くなる勉強の毎日。それでも、人のいいチャーリイ…

『チャリング・クロス街84番地』ヘレーン・ハンフ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 ニューヨークに住む本好きの女性がロンドンのチャリング・クロス街84番地にある古書店マーク社にあてた一通の手紙からはじまった二十年にわたる心暖まる交流。ここで紹介される〝本好き〟の書物を愛する…

『スローターハウス5』カート・ヴォネガット・ジュニア 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 時の流れの呪縛から解き放たれたビリー・ピルグリムは、自分の生涯を未来から過去へと遡る、奇妙な時間旅行者になっていた。大富豪の娘との幸福な結婚生活を送り……異星人に誘拐されてトラルファマドール星…

『アメリカの鱒釣り』リチャード・ブローティガン 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 ビート・ジェネレーションの代表的な作家として本国でもヒッピーたちに祭り上げられたリチャード・ブローティガン。彼が世に放った話題作、それを革命的な翻訳で原文以上の魅力を日本に伝えたとされる藤本…

『夜歩く』ジョン・ディクスン・カー 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 「密室派の総帥」「密室の王者」などの異名を持つ偉大な推理小説家ジョン・ディクスン・カー(1906-1977)。そのデビュー作である『夜歩く』です。 パリの予審判事アンリ・バンコランは、剣の名手と名高い…

「グラース・サーガ」J・D・サリンジャー 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品群です。 ニューヨークに生まれたユダヤ人作家ジェローム・デイヴィッド・サリンジャー(1919-2010)が『ライ麦畑でつかまえて』の後に世に放った、連作短中篇で描く物語「グラース・サーガ」と呼ばれる作品群です…

『ジョヴァンニの部屋』ジェイムズ・ボールドウィン 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 キング牧師と同様にアメリカの公民権運動(人種差別撤廃)に参加し、その後フランスのパリにて「失われた世代」の系譜としても活躍した、黒人作家ジェイムズ・ボールドウィンの同性愛劇を描いた『ジョヴァ…

『沈黙の春/センス・オブ・ワンダー』レイチェル・カーソン 感想

こんにちは。RIYOです。 今回は二作品をまとめてご紹介します。 環境運動の先駆けとなり全世界へ影響を与えたレイチェル・カーソンの『沈黙の春』、その自然を見つめる感性の必要性や重要性を次代へ託す『センス・オブ・ワンダー』です。 沈黙の春 自然を破…

『夜の森』デューナ・バーンズ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 デューナ・バーンズ『夜の森』です。デカダン派女流作家として小説・戯曲などで活躍した作家です。T・S・エリオットが絶賛し、この作品の「序文」を書いています。 両大戦間のベルリン、ウィーン、パリ、ニ…

『グレート・ギャツビー』F・スコット・フィッツジェラルド 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 F・スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』です。 ロストジェネレーションの盛衰を、公私共に歩んだ作家の代表作です。 豪奢な邸宅に住み、絢爛たる栄華に生きる謎の男ギャツビーの胸の中に…

『ロリータ』ウラジーミル・ナボコフ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・ナボコフの『ロリータ』です。アメリカへ亡命したロシアの作家であるナボコフの代表作。大変有名な古典作品ですが、出版までは苦難の道でした。 「ロリータ、我が命の光…

『ガラスの動物園』テネシー・ウィリアムズ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 テネシー・ウィリアムズ『ガラスの動物園』。戯曲です。1945年3月、第二次世界大戦の終焉間近にブロードウェイで上演されました。 不況時代のセント・ルイスの裏街を舞台に、生活に疲れ果てて、昔の夢を追…

『ハツカネズミと人間』ジョン・スタインベック 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 ジョン・スタインベックはドイツ系移民の父とアイルランド系移民の母を持ちます。彼は、世界大恐慌時代のアメリカ社会を告発した『怒りの葡萄』を発表し、1940年にピューリッツァー賞を受賞しました。今回…

『緋文字』ナサニエル・ホーソーン 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 ナサニエル・ホーソーン『緋文字』です。1850年に出版されました。 胸に赤いAの文字を付け、罪の子を抱いて処刑のさらし台に立つ女。告白と悔悛を説く青年牧師の苦悩……。厳格な規律に縛られた17世紀ボスト…

『紙の民』サルバドール・プラセンシア 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 サルバドール・プラセンシア『紙の民』。これは奇書と呼んで差し支えないと思われます。メタフィクションは数多の表現で、数多の作品が世に出ていますが、ここまでメタ表現を〈体感〉できる作品はあまりあり…

『ポーカー・レッスン』ジェフリー・ディーヴァー 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 『ボーン・コレクター』のリンカーン・ライム・シリーズが有名なジェフリー・ディーヴァー。本書は短篇集です。16作品、これら全てにどんでん返しがあります。騙されるものか、という思いが読み進めるにつ…

『ねじれた文字、ねじれた路』トム・フランクリン 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 短編集『密猟者たち』が有名なトム・フランクリン。今回の作品『ねじれた文字、ねじれた路』は長編です。 この小説は、一言でいうなら、親友同士だった白人と黒人の少年が疎遠になり、二十五年後、一人の少…

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