RIYO BOOKS

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主に本の感想文を書きます。海外文学が多めです。

『日輪』横光利一 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 新感覚派の驍将として登場した横光は、つぎつぎと新しい小説形式に挑戦したが、戦争によって不幸にも挫折した。だが現在の文学状況の中で、横光の試みは今もなお課題たりうる多くのものを含んでいる。 1910…

日本の文学思潮

明治維新の開国によって、西洋の文明が日本に多く流れ込んできました。宗教や文化などが日本人の感性を刺激するのと同時に、思想や哲学も同様に国民へ影響を与えました。特に大きな影響を与えたのが、功利主義あるいは実利主義といったもので、個人の尊重と…

『異邦人』アルベール・カミュ 感想

こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日…

『ちいさなちいさな王様』アクセル・ハッケ 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 この世の中のことは全て本当のことなのか?僕の人差し指サイズの小さな王様。王様の世界では大きく生まれて成長するにつれ小さくなり、しまいには見えなくなってしまうという。長きにわたって愛されてきた30…

『ユートピア』トマス・モア 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 表題の「ユートピア」とは「どこにも無い」という意味のトマス・モアの造語である。モアが描き出したこの理想国は自由と規律をかねそなえた共和国で、国民は人間の自然な姿を愛し「戦争でえられた名誉ほど不…

『蒼ざめた馬』ロープシン(ボリス・サヴィンコフ) 感想

こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 3月、雪のモスクワに、総督の暗殺を図るテロリストたちが潜入する。まずジョージ、そして、彼を愛し、爆弾を造る女エルナ、さらにワーニャ、フョードル、ハインリッヒ。挫折と犠牲を強いられてのち、暗殺は…

『D坂の殺人事件』江戸川乱歩 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 D坂の古本屋の細君が殺された!その死体には生傷がたくさんあった!D坂のカフェー白梅軒で知り合いになったわたしと明智小五郎は、犯人さがしに懸命になった。わたしの推理では明智が犯人かと思われた!だ…

『オペラ座の怪人』ガストン・ルルー 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 十九世紀末、夜ごと流麗な舞台が繰り広げられるパリの花、オペラ座。その地下深くには奇怪な事件を巻き起こす怪人が棲み着いていると噂されていた。怪人は若く可憐なクリスティーヌに夜毎歌の手ほどきを授け…

『白い病』カレル・チャペック 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 戦争目前の世界で、突如「雪崩のように」流行り始めた未知の疫病。そこへ特効薬を発見したという貧しい町医者が現れるが、施療に際し、彼は一つだけ条件を提示した──。死に至る病を前に、人々は何を選ぶのか…

『ジャン』アンドレイ・プラトーノフ 感想

こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 中央アジアの砂漠を放浪する少数民族の運命と、彼らを救おうとする青年の行為とを通して、人間の真の幸福とは何かを問う『ジャン」ほか4篇を収録。旧ソ連の作家プラトーノフは反革命的作家として長い間埋も…

『ヌヌ』レイラ・スリマニ 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 パリ十区のこぢんまりしたアパルトマンで悲劇が起きた。子守りと家事を任された〝ヌヌ〟であるルイーズが、若き夫婦、ミリアムとポールの幼い長女と長男を殺したのだ。そしてルイーズも後を追うように自殺を…

『夫婦善哉』織田作之助 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 日本は白人による植民地支配を拒むために、ファシズムという形で第二次世界大戦争を戦いました。凶悪な科学軍事兵器に対し、日本は人命そのものを武器として対抗しましたが、悪魔のような広島と長崎への攻撃…

『遊戯の終わり』フリオ・コルタサル 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 肘掛け椅子に座って小説を読んでいる男が、ナイフを手にした小説中のもう一人の男に背後を襲われる「続いている公園」、意識だけが山椒魚に乗り移ってしまった男の変身譚「山椒魚」など、崩壊する日常世界を…

『オルメードの騎士』ロペ・デ・ベガ 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 黄金世紀スペインに燦然と輝く劇詩人ロペ・デ・ベガ。本作は、「コメディア」を創出し二二〇〇編の作品を残した「才知の不死鳥」の屈指の名作。オルメードの騎士ドン・アロンソとドニャ・イネースの悲恋の物…

『嫉妬』アニー・エルノー 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 別れた男が他の女と暮らすと知り、私はそのことしか考えられなくなる。どこに住むどんな女なのか、あらゆる手段を使って狂ったように特定しようとしたが──。妄執に取り憑かれた自己を冷徹に描く「嫉妬」。 …

『どん底』マクシム・ゴーリキー 感想

こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 ロシア世紀末社会の底辺にうごめく人間の生態を描破した名作。 将校の子でありながら家を出て叩き上げで家具職人となった父親と、一代で財を成した染物業者の一人娘である母親のもとに、マクシム・ゴーリキ…

『記夢志』島尾敏雄 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 日常と反日常の想念が往来する夢の中でのまどろみと崩れはあとさきが余りにも不確かで頼りなく怖れと希求を刻みこむ文字は朝の白い息にも似て途切れがちな薄命の世界をただよう 第二次世界大戦争によって与…

『ヘンリー八世』ウィリアム・シェイクスピア 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 テューダー朝を継いで二十年余り。亡き兄の妻だったキャサリン妃との間に世継ぎがいないことに苦悩するヘンリー八世は、枢機卿主催の晩餐会で若く美しい侍女アンと出会う。一方、宮廷では奸計が渦巻いていた…

『トロイラスとクレシダ』ウィリアム・シェイクスピア 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 本作『トロイラスとクレシダ』は、シェイクスピア絶頂期の後半にあたる1602年ごろに執筆された作品です。ホメロス『イリアッド』、ジェフリー・チョーサー『トゥローイラスとクリセイデ』などを材源としてお…

『ジョン王』ウィリアム・シェイクスピア 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 偉大な父ヘンリー二世と勇猛な兄から王位を継いだ末子ジョン。フランスと戦うか、和陸か。王位継承者である甥を生かすか、殺すか。ローマ法王と対立か、和解か。悩み、考え抜いた決断はすべて裏目に出て、混…

『コリオレイナス』ウィリアム・シェイクスピア 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 ヴォルサイ人との戦いでローマを勝利に導いたコリオレイナスは市民に英雄と讃えられ、執政官に推薦される。しかし執政官になるために避けては通れない慣習を受け入れられず、市民を敵に回してしまう。愛国心…

『クリスマスの木』ジュリー・サラモン 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 父を亡くした少女は、ひきとられた修道院で一本の木と出会った。その小さな木を、少女は「トゥリー」と呼び、二人は友だちになった―─いくたびも四季が巡り、トゥリーはみごとな木に育った。ひとりぼっちだっ…

『骨の肉』河野多恵子 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 初期「美少女」「幼児狩り」、芥川賞受賞作「蟹」から、話題の『みいら採り猟奇譚』まで、著者の誠実な文学的展開の中で、中期と呼ぶべき中・短篇群。特に世評高い名篇「骨の肉」ほか、女流文学賞受賞の「最…

『織工』ゲルハルト・ハウプトマン 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 労働争議を扱った最初の作品。機械の発達に伴う手工業の衰退から起った一揆を迫真的な手法で描き、上演禁止の厄に遇った問題作。 十八世紀後半、イングランドで始まった産業革命は商工業を発展させて世界経…

『灯台へ』ヴァージニア・ウルフ 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 「いいですとも。あした、晴れるようならね」スコットランドの小島の別荘で、哲学者ラムジー氏の妻は末息子に約束した。少年はあの夢の塔に行けると胸を躍らせる。そして十年の時が過ぎ、第一次大戦を経て一…

『桜の園』アントン・チェーホフ 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 外国生活の疲れと経済的行きづまりから、ラネーフスカヤ夫人は5年ぶりに南ロシアの「桜の園」に帰ってきたが、数々の思い出を秘めたこの園も、新しい所有者の手に委ねばならなかった。当時の社会的変動を一…

『憂国』三島由紀夫 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 第二次世界大戦争において、日本は敵わぬ科学力に生命を投げ出す形で交戦し、夥しい戦死者と甚大な都市被害を受けて敗戦しました。植民地支配を拒否するようにファシズムという国政で抗いましたが、結果、ド…

『モルグ街の殺人事件』エドガー・アラン・ポオ 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 美の錬金術師ポオ。その美への情熱は精確無比な理知的計算と設計にもとづいてあらゆる作品に発揮されており、読者を怪奇な幻想世界、異常心理の世界へと抗いがたく引きずり込む。ポオの作に傾倒した若きヴァ…

『レクイエム』アンナ・アフマートワ 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 戦争と革命の嵐が吹き荒れるなか幾多の苦難をくぐり抜け、監獄の前で差し入れを持って並ぶ列の中で「これを書くことができますか」と問われた詩人がともに苦難の中にある人々への思いをつづった詩篇「レクイ…

『夜の来訪者』ジョン・ボイントン・プリーストリー 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 息もつかせぬ展開と最後に用意された大どんでん返し──何度も上演され、映画化された、イギリスの劇作家プリーストリーの代表作。舞台は裕福な実業家の家庭、娘の婚約を祝う一家団欒の夜に警部を名乗る男が訪…

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