RIYO BOOKS

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主に本の感想文を書きます。海外文学が多めです。

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『あのころはフリードリヒがいた』ハンス・ペーター・リヒター 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 ヒトラー政権下のドイツ。人々はしだいに反ユダヤの嵐にまきこまれてゆくーーその時代に生き、そして命をおとしたひとりのユダヤ人少年フリードリヒの悲劇の日々を、ドイツ人少年の目から克明に描いた話題作…

『クォ ヴァディス』ヘンリク・シェンキェヴィチ 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 シェンキェヴィチは、古代の異教徒的世界とキリスト教世界との抗争を描き、後者の勝利の必然性を暗示した。しかし作者の究極の目的は、当時独立を奪われ、列強の圧制に苦しんでいたポーランドの同胞に、希望…

『富士』武田泰淳 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 秘密の重い扉が開かれるとき、一抹の暗い不安と不思議な幅をもった恐怖を私達は覚えるけれども、さて、いま心の秘密の扉が開かれる。《心の秘密》ーーその頑強な扉を敢えて開くことは底知れぬ恐怖にほかな…

『ダイヤモンド広場』マルセー・ルドゥレダ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 三十以上の言語に翻訳されている、世界的名作。現代カタルーニャ文学の至宝と言われる。スペイン内戦の混乱に翻弄されるひとりの女性の愛のゆくえを、散文詩のような美しい文体で綴る。「『ダイヤモンド広…

『オセロー』ウィリアム・シェイクスピア 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 ムーア人の勇敢な将軍オセローは、サイプラス島の行政を任され、同島に赴く。副官に任命されなかったことを不満とする旗手イアーゴーは、策謀を巡らせて副官を失脚させた上、オセローの妻デズデモーナの不…

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