RIYO BOOKS

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主に本の感想文を書きます。海外文学が多めです。

2020-01-01から1年間の記事一覧

『人間の土地』アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ『人間の土地』です。訳は詩人の堀口大學。郵便飛行士としての体験を元にしたエッセイで、アカデミー・フランセーズ賞を受賞しています。 “我慢しろ……ぼくらが駆けつ…

『阿片常用者の告白』トマス・ド・クインシー 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 トマス・ド・クインシー『阿片常用者の告白』です。舞台は1800年前半イギリスおよびウェールズ。阿片常用者であるド・クインシーが世に「阿片が与える快楽と苦悩」をそれぞれの編にて告白するという内容。 …

『バグダードのフランケンシュタイン』アフマド・サアダーウィー 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 アフマド・サアダーウィー『バグダードのフランケンシュタイン』です。著者はイラクの小説家・詩人・映画監督・ジャーナリストです。作中にもジャーナリストらしい描写や表現があふれています。主要な登場…

『白痴』フョードル・ドストエフスキー 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 フョードル・ドストエフスキー『白痴』です。この作品は「真に美しい肯定的な人間を描く」ことを動機に書かれたものです。 高貴な人間は道化の姿をしているーーロシア社会の混沌の中にあらわれた純粋で無垢…

『紙の民』サルバドール・プラセンシア 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 サルバドール・プラセンシア『紙の民』。これは奇書と呼んで差し支えないと思われます。メタフィクションは数多の表現で、数多の作品が世に出ていますが、ここまでメタ表現を〈体感〉できる作品はあまりあり…

『外套・他』ニコライ・ゴーゴリ 感想・読み比べ

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちら。 ニコライ・ゴーゴリ「外套」です。この訳本はもう手に入らないかもしれません。個人的にこの講談社文芸文庫が一番楽しむことができました。訳者は吉川宏人さん。名訳です。 “我々はみなゴーゴリの<外套>から出…

『罪と罰』フョードル・ドストエフスキー 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 ドストエフスキー『罪と罰』です。トルストイと並ぶ19世紀ロシアのリアリズム文学代表作家。1866年にこの作品は世に出ました。 鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、一つの微細な罪悪は百の善…

『ドグラ・マグラ』夢野久作 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 夢野久作『ドグラ・マグラ』です。 日本の三大奇書と言われる内の一冊です。 「ドグラ・マグラ」は、昭和10年1500枚の書き下ろし作品として出版され、読書界の大きな話題を呼んだが、常人の頭では考えられ…

『動物農場』ジョージ・オーウェル 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 ジョージ・オーウェル『動物農場』です。 人間たちにいいようにされている農場の動物たちが反乱を起こした。老豚をリーダーにした動物たちは、人間を追放し、「すべての動物が平等な」理想社会を建設する。…

『未來のイヴ』ヴィリエ・ド・リラダン 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 ヴィリエ・ド・リラダン『未來のイヴ』です。 この作品は1886年に発表されました。「アンドロイド」という言葉が世に向け初めて用いられた作品です。 恋人アリシヤのヴィナスのような肉体、輝くばかりの美…

『十二人の手紙』井上ひさし 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 井上ひさしさんの『十二人の手紙』です。 キャバレーのホステスになった修道女の身も心もボロボロの手紙、上京して主人の毒牙にかかった家出少女が弟に送る手紙など、手紙だけが物語る笑いと哀しみがいっぱ…

『ポーカー・レッスン』ジェフリー・ディーヴァー 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 『ボーン・コレクター』のリンカーン・ライム・シリーズが有名なジェフリー・ディーヴァー。本書は短篇集です。16作品、これら全てにどんでん返しがあります。騙されるものか、という思いが読み進めるにつ…

『ねじれた文字、ねじれた路』トム・フランクリン 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 短編集『密猟者たち』が有名なトム・フランクリン。今回の作品『ねじれた文字、ねじれた路』は長編です。 この小説は、一言でいうなら、親友同士だった白人と黒人の少年が疎遠になり、二十五年後、一人の少…

『青い脂』ウラジーミル・ソローキン 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 ロシアのモダン作家ウラジーミル・ソローキンの『青い脂』です。第三回Twitter文学賞海外部門第一位を受賞しています。 2068年、クローン文学作家を用いた実験が行われている。今回はロシア文学作家、7人の…

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