RIYO BOOKS

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主に本の感想文を書きます。海外文学が多めです。

読了-フランス文学

『氷山へ』ジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオ 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 2008年にノーベル文学賞を受賞したル・クレジオの思考と実践に大きな影響を与えた孤高の詩人アンリ・ミショー。彼の至高の詩篇「氷山」「イニジ」について、ル・クレジオが包括的かつ詩的に綴った珠玉の批評…

『脂肪の塊』ギ・ド・モーパッサン 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 プロシア軍を避けてルーアンの町を出た馬車に、“脂肪の塊”と渾名(あだな)される可憐な娼婦がいた。空腹な金持たちは彼女の弁当を分けてもらうが、敵の士官が彼女に目をつけて一行の出発を阻むと、彼女を犠…

『ベートーヴェンの生涯』ロマン・ロラン 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 少年時代からベートーヴェンの音楽を生活の友とし、その生き方を自らの生の戦いの中で支えとしてきたロマン・ロラン(1866-1944)によるベートーヴェン賛歌。二十世紀の初頭にあって、来るべき大戦の予感の…

『C神父』(蠱惑の夜)ジョルジュ・バタイユ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 つねに鋭い人間探求をめざしつつエロスと死の深淵にさまよい、特異な文学世界を創りあげた奇才バタイユの全貌をここに集大成。バタイユは燃え上がる。この彗星は、今夜もまた、ヘーゲルとニーチェの傍をよ…

『悲しみよ こんにちは』フランソワーズ・サガン 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 太陽がきらめく、美しい南仏の海岸を舞台に、青春期特有の残酷さをもつ少女の感傷にみちた好奇心、愛情の独占欲、完璧なものへの反撥などの微妙な心理を描く。発表と同時に全世界でベストセラーとなり、文…

『法王庁の抜け穴』アンドレ・ジイド 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 無償の行為を実践して意味なき殺人をするラフカディオ、奇蹟により改宗したアンティムの破綻、地下室に幽閉されている法王を救い出すためと称して詐欺を働くプロトス……。複雑多岐な事件の発展の中に、人間…

『肉体の悪魔』レイモン・ラディゲ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 青年期の複雑な心理を、ロマンチシズムへの耽溺を冷徹に拒否しつつ仮借なく解剖したラディゲ16歳から18歳のときまでの驚くべき作品。第一次大戦のさなか、戦争のため放縦と無力におちいった少年と人妻との…

『雨のしのび逢い』マルグリット・デュラス 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 若い未婚の女性は結婚に憧れている。だが、若い女性たちの夢見ているほど、安定したものだろうか。また純粋な状態のものだろうかーーこうした疑いを抱いた方はこの小説を読まれるといい。この小説の主題は…

『オンディーヌ』ジャン・ジロドゥ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 浅利慶太さんが劇団四季の運営を離れ「浅利演出事務所」として始動した初めの作品、現代フランス演劇を代表する劇作家ジャン・ジロドゥ(1882-1944)の『オンディーヌ』です。 舞台は遠い世の昔から神秘な…

『シルトの岸辺』ジュリアン・グラック 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 著者最大の長篇かつ最も劇的な迫力に富む代表作。1951年度のゴンクール賞に選ばれたが、グラックは受賞を拒否、大きな話題を呼んだ。「この小説は、その最後の章まで、けっして火ぶたの切られない一つの海…

『椿姫』デュマ・フィス 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 その花を愛するゆえに〝椿姫〟と呼ばれる、貴婦人のように上品な、美貌の娼婦マルグリット・ゴーティエ。パリの社交界で、奔放な日々を送っていた彼女は、純情多感な青年アルマンによって、真実の愛に目覚…

『明るい部屋 写真についての覚書』ロラン・バルト 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 フランスの哲学者であり記号学者、そしてポスト構造主義として理論を進化させ続け、ミシェル・フーコーに多大な影響を与えた探求者ロラン・バルトの「写真」について論考した『明るい部屋』です。 本書は、…

『少女ムーシェット』ジョルジュ・ベルナノス 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 死んでゆく少女への哀歌。スペイン戦争の暴力と悲惨を目撃した巨匠ベルナノスがその憤りを芸術として結晶させた珠玉の傑作。 普仏戦争に敗北したフランス第三共和政は資本輸出を中心に金策を図り、急速に国…

『月と六ペンス/ノア・ノア』サマセット・モーム/ポール・ゴーギャン 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの2作品です。 晩年をタヒチで過ごし、死後に才能を称えられた総合主義・象徴主義を代表する画家ポール・ゴーギャン。その紀行文『ノア・ノア』と、彼の資質や魂を原型に、芸術を真に追い求める奇異な一人の画家を描いた…

『ビュビュ・ド・モンパルナス』シャルル=ルイ・フィリップ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 ドストエフスキーの肖像を掲げ、その作風のように激しく当時のフランスを生きたフィリップ。35歳という短い人生の中で生み出した、美しいプロレタリアート文学の代表作『ビュビュ・ド・モンパルナス』です…

『浴室』ジャン=フィリップ・トゥーサン 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 1985年、パリにおいてフランス文学界隈を騒がせた、新進気鋭作家ジャン=フィリップ・トゥーサンの『浴室』です。ジョン・ルヴォフによって映画化もされています。 「午後を浴室で過ごすようになった時、そ…

『悪魔の恋』ジャック・カゾット 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 フランス初の幻想小説作家として名高いジャック・カゾットの『悪魔の恋』です。本書はホルヘ・ルイス・ボルヘス編纂の「バベルの図書館 19」で、序文を添えています。 悪魔が変身した美女ビヨンデッタと、…

『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』U・エーコ & J=C・カリエール 感想

こんにちは。RIYOです。 今回は対談本です。 フランスの劇作家・脚本家であるジャン=クロード・カリエールと、イタリアの記号論大学教授でありベストセラー作家であるウンベルト・エーコが、「紙の書物」に関して存分に語り合います。時に熱く、時に物悲し…

『ゴドーを待ちながら』サミュエル・ベケット 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 パリで初演された1953年より数多の議論と論考が行われてきた、アイルランド出身の劇作家サミュエル・ベケットの代表戯曲『ゴドーを待ちながら』です。世界的な「不条理演劇」の代名詞として語られる作品で…

『カルメン』プロスペル・メリメ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 プロスペル・メリメ『カルメン』です。数ヶ国語を使いこなす、フランスへ初めてロシア文学を紹介した作家です。 南国スペインの情熱を象徴する美貌の女カルメン。純朴で真面目な青年ドン・ホセは、彼女と出…

『花のノートルダム』ジャン・ジュネ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 多くの犯罪に手を染めたジャン・ジュネ(1910-1986)の最初の小説『花のノートルダム』です。 「ジュネという爆弾。その本はここにある」(コクトー)。「泥棒」として社会の底辺を彷徨していたジュネは、…

『恐るべき子供たち』ジャン・コクトー 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 フランスの多彩な芸術家ジャン・コクトーの代表小説『恐るべき子供たち』です。詩人であり劇作家であり、美術にも秀でている「芸術のデパート」。本書には彼の数十点もの挿絵が挟まれています。 14歳のポー…

『閨房哲学』マルキ・ド・サド 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 ドナチアン・アルフォンス・フランソワ・ド・サド『閨房哲学』。通称「サド公」の思想にフォーカスされた、対話体作品です。 快楽の法則の信奉者、遊び好きなサン・タンジェ夫人と、彼女に教えを受ける情熱…

『水いらず』ジャン=ポール・サルトル 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 ジャン=ポール・サルトル『水いらず』です。短篇・中篇集です。 性の問題をはなはだ不気味な粘液的なものとして描いて、実存主義文学の出発点に位する表題作、スペイン内乱を舞台に実存哲学のいわゆる限界…

『死刑囚最後の日』ヴィクトル・ユーゴー 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 ヴィクトル・ユーゴー『死刑囚最後の日』です。フランスのロマン主義第一人者で、『レ・ミゼラブル』を著しています。 自然から享けた生命を人為的に奪い去る社会制度=死刑。その撤廃をめざし、若き日のユ…

『シーシュポスの神話』アルベール・カミュ 感想

こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 アルベール・カミュ『シーシュポスの神話』です。2005年改版です。 神々がシーシュポスに科した刑罰は大岩を山頂に押しあげる仕事だった。だが、やっと難所を越したと思うと大岩は突然はね返り、まっさかさ…

『人間の土地』アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ『人間の土地』です。訳は詩人の堀口大學。郵便飛行士としての体験を元にしたエッセイで、アカデミー・フランセーズ賞を受賞しています。 “我慢しろ……ぼくらが駆けつ…

『未來のイヴ』ヴィリエ・ド・リラダン 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 ヴィリエ・ド・リラダン『未來のイヴ』です。 この作品は1886年に発表されました。「アンドロイド」という言葉が世に向け初めて用いられた作品です。 恋人アリシヤのヴィナスのような肉体、輝くばかりの美…

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