RIYO BOOKS

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主に本の感想文を書きます。海外文学が多めです。

2025-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『虐殺器官』伊藤計劃 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 9・11以降の、〝テロとの戦い〟は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その…

『灰とダイヤモンド』イェージイ・アンジェイェフスキ 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 焦土と化した戦後ポーランドの混沌とした状況を四日間の出来事に凝縮して描く長篤小説。ヨーロッパ戦線が実質上終結していた一九四五年五月五日、ワルシャワ南部の地方都市で党幹部と誤認された労働者が反革…

「眼」シュリィ・プリュドム 感想

こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 十九世紀のナポレオン・ボナパルト戴冠は、フランスの激動の始まりを告げたと言えます。ヴァグラム、ドレスデン、ライプツィヒ、ワーテルローと、対外的な軍事騒乱が立て続けに起こり、さらにはフランス七月…

『ためいきのとき』アンヌ・フィリップ 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 36歳の夫ジェラール・フィリップを肝臓ガンで亡くした妻の、夫に捧げるレクイエム。自らの孤独と悲哀を胸に、夫の死を深く見つめて綴った文章には、彼女の高貴な感性と強靱な精神があふれている。真実である…

『ヘンリー六世 第三部』ウィリアム・シェイクスピア 感想

こんにちは。RIYOです。続いて第三部です。 第二部最終幕で映し出されたイギリス内乱の様相は、ヨーク家とランカスター家の争いが次々に生み出す互いの憎悪を、どこまでも激しく連鎖させて血に塗れた戦闘を繰り広げていきます。 ヨークが強引に手に入れた玉…

『ヘンリー六世 第二部』ウィリアム・シェイクスピア 感想

こんにちは。RIYOです。続いて第二部です。 第一部最終幕でのヘンリー六世とマーガレットの婚姻は、不安の影を落としながら宣言されました。本作はシェイクスピアが歴史的な人間の言動をもって普遍的な人間像を描こうとしたことからも、この展開は物語に非常…

『ヘンリー六世 第一部』ウィリアム・シェイクスピア 感想

こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 百年戦争とそれに続く薔薇戦争により疲弊したイングランドで、歴史に翻弄される王へンリー六世と王を取り巻く人々を描く長編史劇三部作。敵国フランスを救う魔女ジャンヌ・ダルク、謀略に次ぐ謀略、幾度とな…

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