RIYO BOOKS

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主に本の感想文を書きます。海外文学が多めです。

『C神父』(蠱惑の夜)ジョルジュ・バタイユ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 つねに鋭い人間探求をめざしつつエロスと死の深淵にさまよい、特異な文学世界を創りあげた奇才バタイユの全貌をここに集大成。バタイユは燃え上がる。この彗星は、今夜もまた、ヘーゲルとニーチェの傍をよ…

『モモ』ミヒャエル・エンデ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語。時間に追われ、人間本来の生き方を忘れてしまっている現代の人々に、風変りな少女モモが時間の真の意味を気づかせます。町…

『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 32歳になっても、幼児の知能しかないチャーリイ・ゴードンの人生は、罵詈雑言と嘲笑に満ちていた。昼間はパン屋でこき使われ、夜は精薄者センターで頭の痛くなる勉強の毎日。それでも、人のいいチャーリイ…

『百年の孤独』ガブリエル・ガルシア=マルケス 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 蜃気楼の村マコンド。その草創、隆盛、衰退、ついには廃墟と化すまでのめくるめく百年を通じて、村の開拓者一族ブエンディア家の、一人からまた一人へと受け継がれる運命にあった底なしの孤独は、絶望と野…

『悲しみよ こんにちは』フランソワーズ・サガン 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 太陽がきらめく、美しい南仏の海岸を舞台に、青春期特有の残酷さをもつ少女の感傷にみちた好奇心、愛情の独占欲、完璧なものへの反撥などの微妙な心理を描く。発表と同時に全世界でベストセラーとなり、文…

『若き詩人への手紙/若き女性への手紙』ライナー・マリア・リルケ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 『若き詩人への手紙』は、一人の青年が直面した生死、孤独、恋愛などの精神的な苦痛に対して、孤独の詩人リルケが深い共感にみちた助言を書き送ったもの。『若き女性への手紙』は、教養に富む若き女性が長…

『オイディプス王』ソポクレス 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 オイディプスが先王殺害犯人の探索を烈しい呪いの言葉とともに命ずる発端から恐るべき真相発見の破局へとすべてを集中させてゆく緊密な劇的構成。発端の自信に満ちた誇り高い王オイディプスと運命の逆転に…

『ユートピアだより』ウィリアム・モリス 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 目覚めるとそこは二十二世紀のロンドンーー緑かがやき、水は澄み、「仕事が喜びで、喜びが仕事になっているくらし」。社会主義者・美術工芸家モリスの実践と批判、理想と希望が紡ぐ物語。ユートピアの風を…

『法王庁の抜け穴』アンドレ・ジイド 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 無償の行為を実践して意味なき殺人をするラフカディオ、奇蹟により改宗したアンティムの破綻、地下室に幽閉されている法王を救い出すためと称して詐欺を働くプロトス……。複雑多岐な事件の発展の中に、人間…

『ジーキル博士とハイド氏』ロバート・ルイス・スティーヴンソン 感想

こんにちは。 RIYOです。 今回はこちらの作品です。 医学、法学の博士号を持つ高潔な紳士ジーキルの家に、いつのころからかハイドと名乗る醜悪な容貌の小男が出入りするようになった。人間の心にひそむ善と悪の闘いを二人の人物に象徴させ、“二重人格”の代名…

『肉体の悪魔』レイモン・ラディゲ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 青年期の複雑な心理を、ロマンチシズムへの耽溺を冷徹に拒否しつつ仮借なく解剖したラディゲ16歳から18歳のときまでの驚くべき作品。第一次大戦のさなか、戦争のため放縦と無力におちいった少年と人妻との…

『雨のしのび逢い』マルグリット・デュラス 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 若い未婚の女性は結婚に憧れている。だが、若い女性たちの夢見ているほど、安定したものだろうか。また純粋な状態のものだろうかーーこうした疑いを抱いた方はこの小説を読まれるといい。この小説の主題は…

『チャリング・クロス街84番地』ヘレーン・ハンフ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 ニューヨークに住む本好きの女性がロンドンのチャリング・クロス街84番地にある古書店マーク社にあてた一通の手紙からはじまった二十年にわたる心暖まる交流。ここで紹介される〝本好き〟の書物を愛する…

『クリスマス・カロル』チャールズ・ディケンズ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 ケチで冷酷で人間嫌いのがりがり亡者スクルージ老人は、クリスマス・イブの夜、相棒だった老マアレイの亡霊と対面し、翌日からは彼の予言どおりに第一、第二、第三の幽霊に伴われて知人の家を訪問する。炉…

『死霊』埴谷雄高 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 1895年、日本は日清戦争が終結し台湾の統治権を得ました。以後の約五十年間、日本の植民地として扱われました。日本の統治を阻む台湾住民は五年のあいだ抗います。そして一万人以上の現地人が虐殺されまし…

『パリ左岸のピアノ工房』サド・E・カーハート 感想

こんにちは。RIYOです 今回はこちらの作品です。 記憶の底からよみがえる、あの音。鍵盤の感触、どこでピアノのことをわすれてしまったのだろう?愛情あふれるパリの職人に導かれ、音楽の喜びを取り戻した著者が贈る、切なくも心温まる傑作ノンフィクション。…

『オンディーヌ』ジャン・ジロドゥ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 浅利慶太さんが劇団四季の運営を離れ「浅利演出事務所」として始動した初めの作品、現代フランス演劇を代表する劇作家ジャン・ジロドゥ(1882-1944)の『オンディーヌ』です。 舞台は遠い世の昔から神秘な…

『スローターハウス5』カート・ヴォネガット・ジュニア 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 時の流れの呪縛から解き放たれたビリー・ピルグリムは、自分の生涯を未来から過去へと遡る、奇妙な時間旅行者になっていた。大富豪の娘との幸福な結婚生活を送り……異星人に誘拐されてトラルファマドール星…

『シルトの岸辺』ジュリアン・グラック 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 著者最大の長篇かつ最も劇的な迫力に富む代表作。1951年度のゴンクール賞に選ばれたが、グラックは受賞を拒否、大きな話題を呼んだ。「この小説は、その最後の章まで、けっして火ぶたの切られない一つの海…

『ツァラトゥストラ』フリードリヒ・ニーチェ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 無限にゆたかな生命の海にふかく見入って、意志の哲学を思索し、「永劫回帰」の戦慄に耐えて存在の実相に徹する人間像への希望をうたうニーチェ。近代の思想と文学に強烈な衝撃を与えた彼の、今日なお予言…

『遊女の対話』ルーキアーノス 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 遊女たちの手練手管や、うつつをぬかす男たち……。都会的な才人ルーキアーノス(120-195頃)は、今も昔も、どこにでもありそうな社会の裏がわを軽妙に描く。 シリアのサモサータで生まれ、アテーナイで活躍…

『椿姫』デュマ・フィス 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 その花を愛するゆえに〝椿姫〟と呼ばれる、貴婦人のように上品な、美貌の娼婦マルグリット・ゴーティエ。パリの社交界で、奔放な日々を送っていた彼女は、純情多感な青年アルマンによって、真実の愛に目覚…

『アメリカの鱒釣り』リチャード・ブローティガン 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 ビート・ジェネレーションの代表的な作家として本国でもヒッピーたちに祭り上げられたリチャード・ブローティガン。彼が世に放った話題作、それを革命的な翻訳で原文以上の魅力を日本に伝えたとされる藤本…

『光のない。』エルフリーデ・イェリネク 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 2011年3月11日、太平洋沖地震は大津波を生みました。日本の東北地方を飲み込むほどの巨大さで、あらゆる人やあらゆる物を攫いました。しかし、災害は止まらず、福島第一原子力発電所の事故を引き起こします…

『夜歩く』ジョン・ディクスン・カー 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 「密室派の総帥」「密室の王者」などの異名を持つ偉大な推理小説家ジョン・ディクスン・カー(1906-1977)。そのデビュー作である『夜歩く』です。 パリの予審判事アンリ・バンコランは、剣の名手と名高い…

『あの大鴉、さえも』竹内銃一郎 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 劇団「秘法零番館」や、佐野史郎との演劇ユニット「JIS企画」、そして最後の演劇団体とする「キノG-7」と活躍を続ける傍ら、後進の育成にも力を注ぐ劇作家の竹内銃一郎。彼の代表作のひとつ、岸田國士戯曲…

「グラース・サーガ」J・D・サリンジャー 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品群です。 ニューヨークに生まれたユダヤ人作家ジェローム・デイヴィッド・サリンジャー(1919-2010)が『ライ麦畑でつかまえて』の後に世に放った、連作短中篇で描く物語「グラース・サーガ」と呼ばれる作品群です…

『明るい部屋 写真についての覚書』ロラン・バルト 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 フランスの哲学者であり記号学者、そしてポスト構造主義として理論を進化させ続け、ミシェル・フーコーに多大な影響を与えた探求者ロラン・バルトの「写真」について論考した『明るい部屋』です。 本書は、…

『ハムレット』ウィリアム・シェイクスピア 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 十六世紀のイギリスで無一文から、俳優、国王一座専属作家、劇団株主、詩篇献呈の報奨金など、誰よりも演劇で成功した劇作家シェイクスピア。彼が書き上げた数多くある代表作品の一つ『ハムレット』です。 …

『少女ムーシェット』ジョルジュ・ベルナノス 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 死んでゆく少女への哀歌。スペイン戦争の暴力と悲惨を目撃した巨匠ベルナノスがその憤りを芸術として結晶させた珠玉の傑作。 普仏戦争に敗北したフランス第三共和政は資本輸出を中心に金策を図り、急速に国…

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