RIYO BOOKS

RIYO BOOKS

主に本の感想文を書きます。海外文学が多めです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

『スペードの女王/ベールキン物語』アレクサンドル・プーシキン 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 ロシアの国民的詩人アレクサンドル・プーシキンの『スペードの女王』と短篇5作をまとめた『ベールキン物語』です。手元には旧装丁の赤帯がありますので、こちらの紹介文を記載します。 トランプの秘密に憑…

『トニオ・クレーゲル/ヴェニスに死す』トーマス・マン 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちら。 トーマス・マン『トニオ・クレーゲル/ヴェニスに死す』です。『魔の山』で名を知られているドイツの小説家です。彼の初期中篇二作です。 精神と肉体、芸術と生活の相対立する二つの力の間を彷徨しつつ、そのど…

『ハツカネズミと人間』ジョン・スタインベック 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 ジョン・スタインベックはドイツ系移民の父とアイルランド系移民の母を持ちます。彼は、世界大恐慌時代のアメリカ社会を告発した『怒りの葡萄』を発表し、1940年にピューリッツァー賞を受賞しました。今回…

『閨房哲学』マルキ・ド・サド 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 ドナチアン・アルフォンス・フランソワ・ド・サド『閨房哲学』。通称「サド公」の思想にフォーカスされた、対話体作品です。 快楽の法則の信奉者、遊び好きなサン・タンジェ夫人と、彼女に教えを受ける情熱…

『予告された殺人の記録』ガブリエル・ガルシア=マルケス 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 ガブリエル・ガルシア=マルケス『予告された殺人の記録』です。コロンビアのジャーナリストであり、マジックリアリズム文学の先駆者です。1982年にノーベル文学賞を受賞しています。 町をあげての婚礼騒ぎ…

『君主論』ニッコロ・マキアヴェッリ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 ニッコロ・マキアヴェッリ『君主論』です。 ルネサンス期イタリアの政治的混乱を辛くも生きたマキアヴェッリ(1469-1527)は外交軍事の実経験と思索のすべてを傾けて、君主たるものが権力をいかに維持・伸…

『水いらず』ジャン=ポール・サルトル 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 ジャン=ポール・サルトル『水いらず』です。短篇・中篇集です。 性の問題をはなはだ不気味な粘液的なものとして描いて、実存主義文学の出発点に位する表題作、スペイン内乱を舞台に実存哲学のいわゆる限界…

『死刑囚最後の日』ヴィクトル=マリー・ユーゴー 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 ヴィクトル・ユーゴー『死刑囚最後の日』です。フランスのロマン主義第一人者で、『レ・ミゼラブル』を著しています。 自然から享けた生命を人為的に奪い去る社会制度=死刑。その撤廃をめざし、若き日のユ…

『シーシュポスの神話』アルベール・カミュ 感想

こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 アルベール・カミュ『シーシュポスの神話』です。2005年改版です。 神々がシーシュポスに科した刑罰は大岩を山頂に押しあげる仕事だった。だが、やっと難所を越したと思うと大岩は突然はね返り、まっさかさ…

『カフカ寓話集』フランツ・カフカ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 フランツ・カフカ『カフカ寓話集』です。30の短篇・中篇集です。 「カフカ伝説」といったものがある。世の名声を願わず、常に謙虚で、死が近づいたとき友人に作品一切の焼却を依頼したカフカーー。だが、く…

『変身』フランツ・カフカ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 フランツ・カフカ『変身』です。「不条理文学」としてあまりに有名な作品です。ですが、著者が亡くなってから広まった為、明確な解釈は未だに出ておらず、現在も研究が続けられています。 ある朝目覚めてみ…

『地下室の手記』フョードル・ドストエフスキー 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 フョードル・ドストエフスキー『地下室の手記』です。 極端な自意識過剰から一般社会との関係を絶ち、地下の小世界に閉じこもった小官吏の独白を通して、理性による社会改造の可能性を否定し、人間の本性は…

『父と子』イワン・ツルゲーネフ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 ツルゲーネフ『父と子』です。前回の『はつ恋』の次に世に出された作品です。テイストは大きく変わります。こちらもツルゲーネフ中期の代表作です。 「ニヒリスト」という言葉はこの作品から広まったーー自…

『はつ恋』イワン・ツルゲーネフ 感想

こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 イワン・ツルゲーネフ『はつ恋』です。1800年代のロシア・リアリズム文学におけるドストエフスキーの好敵手です。 16歳のウラジーミルは、別荘で零落した公爵家の年上の令嬢ジナイーダと出会い、初めての…

『イワン・デニーソヴィチの一日』アレクサンドル・ソルジェニーツィン 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 アレクサンドル・ソルジェニーツィン『イワン・デニーソヴィチの一日』です。ソビエトの「雪解け」時代、スターリニズム批判、ノーベル文学賞受賞。真にロシアを思い、強いキリストへの信仰心を持った文学…

『夜と霧』ヴィクトール・E・フランクル 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 ヴィクトール・E・フランクル『夜と霧』です。 「言語を絶する感動」と評され、人間の偉大さと悲惨をあますところなく描いた本書は、日本をはじめ世界的なロングセラーとして600万を超える読者に読みつがれ…

『緋文字』ナサニエル・ホーソーン 感想

こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 ナサニエル・ホーソーン『緋文字』です。1850年に出版されました。 胸に赤いAの文字を付け、罪の子を抱いて処刑のさらし台に立つ女。告白と悔悛を説く青年牧師の苦悩……。厳格な規律に縛られた17世紀ボスト…

privacy policy